PEP8とは何か
PEP8は、Pythonのコーディング規約で、Pythonのスタイルガイドを定義しています。スタイルガイドとは、変数や関数名の付け方、空白に関する内容や、インデントの仕方、コメントの書き方など様々な基本的なルールを定義したコーディングの規約を指します。
PEP8では、例えばタブではなくスペースを推奨し、インデントはスペース4つ入れたり、import文は行を分けて読み込むなどのルールが定義されています。PEP8で定義されているルールには大きく3つに大別できます:
- コードレイアウトに関するルール
- コメントに関するルール
- 命名規則に関するルール
他にも、式や文中の空白文字に関するルールもあります。
PEP8の目的は、コードの書き方に一貫性をもたせることで、コードの可読性や保守性を高め、結果的に品質を担保することに繋がります。一人でプログラムを記述する分には意識する必要はあまりないかもしれませんが、実際のプロダクト開発ではチームで開発することが一般的です。このチームで開発する上で、PEP8などのスタイルガイドに従うことで、コードの書き方に一貫性が生まれるため、コードの可読性や保守性が高まります。
しかし、プロジェクトごとにすでに独自の規約がある場合はそちらを優先した方がいい場合があります。また、PEP8に準拠してコードが読みづらくなる個所が発生した場合は、準拠よりも読みやすさを優先した方が良いでしょう。PEP8のルールを守り、誰が読んでも分かりやすいコードを目指しましょう。
改行の基本ルール
Pythonでは、コードの可読性を高めるために改行を適切に使用することが推奨されています。以下に、Pythonでの改行の基本ルールをいくつか紹介します。
-
コード上の改行: Pythonでは、一行のコードが長くなりすぎると読みにくくなるため、適切な場所で改行することが推奨されています。具体的には、一行あたりの文字数は72文字以下と定められています。これを超えて書いてもプログラムは動くのですが、可読性を考慮すると72文字以内に収めることが望ましいです。また、改行したい部分でバックスラッシュ(
\\
)を使うことでコードに影響を与えずに改行することができます。 -
文字列内の改行: Pythonの文字列内で改行を表現するためには、エスケープシーケンスの
\\n
を使用します。例えば、print('Hello\\nWorld')
とすると、出力はHello
とWorld
が別々の行に表示されます。 -
print関数での改行: Pythonのprint関数はデフォルトで出力の末尾に改行(
\\n
)を追加します。しかし、改行を出力しないようにすることも可能で、その場合はprint('Hello', end='')
のようにend
パラメータを使用します。
以上のように、Pythonでは改行を適切に使用することでコードの可読性を高めることができます。しかし、改行の方法は状況によりますので、適切な方法を選んで使用することが重要です。
関数とクラスの定義における改行
PythonのPEP8スタイルガイドでは、関数とクラスの定義における改行について具体的なガイドラインが提供されています。
- 関数とクラスの定義: 関数やクラスを定義する際は、それぞれの定義の間に2行の空白行を入れることが推奨されています。これにより、各関数やクラスの定義が明確に区切られ、コードの可読性が向上します。
def function_one():
pass
def function_two():
pass
class MyClass:
pass
- クラス内のメソッド定義: クラス内部でメソッドを定義する際は、各メソッドの間に1行の空白行を入れることが推奨されています。これにより、各メソッドの定義が明確に区切られ、コードの可読性が向上します。
class MyClass:
def method_one(self):
pass
def method_two(self):
pass
以上のように、PythonのPEP8スタイルガイドでは、関数とクラスの定義における改行の使用が明確に規定されており、これに従うことでコードの可読性と保守性が向上します。しかし、プロジェクトごとにすでに独自の規約がある場合はそちらを優先した方がいい場合があります。また、PEP8に準拠してコードが読みづらくなる個所が発生した場合は、準拠よりも読みやすさを優先した方が良いでしょう。PEP8のルールを守り、誰が読んでも分かりやすいコードを目指しましょう。
複数行にわたる数式の改行
Pythonでは、長い数式を複数行に分けて書くことがあります。その際、適切な改行の方法を知っておくと、コードの可読性を向上させることができます。
- バックスラッシュ(
\\
)を使用した改行: Pythonでは、一行が長くなりすぎると読みにくくなるため、適切な場所で改行することが推奨されています。具体的には、一行あたりの文字数は72文字以下と定められています。これを超えて書いてもプログラムは動くのですが、可読性を考慮すると72文字以内に収めることが望ましいです。また、改行したい部分でバックスラッシュ(\\
)を使うことでコードに影響を与えずに改行することができます。
result = 1 + 2 + 3 + 4 + 5 + 6 + 7 + 8 + 9 + 10 + \
11 + 12 + 13 + 14 + 15 + 16 + 17 + 18 + 19 + 20 + \
21 + 22 + 23 + 24
- 括弧内での自動改行: Pythonでは、括弧(
()
,[]
,{}
)で囲まれたコードは自動的に改行されます。そのため、長い数式を書く際には括弧を使用して改行することができます。
result = (1 + 2 + 3 + 4 + 5 + 6 + 7 + 8 + 9 + 10 +
11 + 12 + 13 + 14 + 15 + 16 + 17 + 18 + 19 + 20 +
21 + 22 + 23 + 24)
以上のように、Pythonでは改行を適切に使用することでコードの可読性を高めることができます。しかし、改行の方法は状況によりますので、適切な方法を選んで使用することが重要です。
キーワード引数の前後のスペース
PythonのPEP8スタイルガイドでは、キーワード引数の=
の前後にスペースを入れないことが推奨されています。これは、コードの可読性を向上させるための規則の一部です。
具体的には、以下のように書くことが推奨されています:
def function(arg1, arg2=0):
pass
function(arg1=1, arg2=2)
上記の例では、関数function
の定義とその呼び出しで、キーワード引数arg1
とarg2
の=
の前後にスペースは入れていません。
一方、以下のように書くとPEP8に則っていないとされます:
def function(arg1, arg2 = 0):
pass
function(arg1 = 1, arg2 = 2)
この例では、キーワード引数arg1
とarg2
の=
の前後にスペースが入っています。
以上のように、PythonのPEP8スタイルガイドでは、キーワード引数の=
の前後にスペースを入れないことが明確に規定されており、これに従うことでコードの可読性と保守性が向上します。しかし、プロジェクトごとにすでに独自の規約がある場合はそちらを優先した方がいい場合があります。また、PEP8に準拠してコードが読みづらくなる個所が発生した場合は、準拠よりも読みやすさを優先した方が良いでしょう。PEP8のルールを守り、誰が読んでも分かりやすいコードを目指しましょう。
引数の途中での改行
Pythonでは、関数の引数が多くなり一行に収まりきらない場合、適切な場所で改行を行うことが推奨されています。これは、コードの可読性を向上させるための規則の一部です。
具体的には、以下のように書くことが推奨されています:
def function(arg1, arg2, arg3, arg4, arg5):
pass
function(
arg1="value1",
arg2="value2",
arg3="value3",
arg4="value4",
arg5="value5"
)
上記の例では、関数function
の呼び出しで、各引数が別々の行に配置されています。これにより、コードの可読性が向上し、特に引数が多い場合にその効果を発揮します。
一方、以下のように書くとPEP8に則っていないとされます:
def function(arg1, arg2, arg3, arg4, arg5):
pass
function(arg1="value1", arg2="value2", arg3="value3", arg4="value4", arg5="value5")
この例では、すべての引数が一行に並んでいます。これは、引数が多い場合にコードが読みにくくなる可能性があります。
以上のように、PythonのPEP8スタイルガイドでは、引数の途中での改行の使用が明確に規定されており、これに従うことでコードの可読性と保守性が向上します。しかし、プロジェクトごとにすでに独自の規約がある場合はそちらを優先した方がいい場合があります。また、PEP8に準拠してコードが読みづらくなる個所が発生した場合は、準拠よりも読みやすさを優先した方が良いでしょう。PEP8のルールを守り、誰が読んでも分かりやすいコードを目指しましょう。