Ubuntuに組み込まれたPythonとは
Ubuntuは、デフォルトでPythonを組み込んでいます。これは、システムの多くの部分がPythonで書かれているためです。Ubuntuの最新バージョンでは、Python 3がデフォルトでインストールされています。
しかし、この組み込まれたPythonを直接使用することは推奨されません。なぜなら、システムの一部として動作しているため、パッケージを追加したり、バージョンを変更したりするとシステムに影響を及ぼす可能性があるからです。
そのため、Pythonの開発には仮想環境を使用することが一般的です。仮想環境を使用すると、システム全体に影響を及ぼすことなく、プロジェクトごとに異なるPythonのバージョンやパッケージを使用することができます。次のセクションでは、Pythonの仮想環境の設定方法について詳しく説明します。
Python仮想環境の作成:pipenv
Pythonの開発においては、プロジェクトごとに異なるバージョンのPythonやパッケージを使用することが一般的です。これを実現するためには、Pythonの仮想環境を作成することが必要です。Pythonの仮想環境を作成するためのツールはいくつかありますが、ここでは pipenv
を使用します。
pipenv
はPythonの依存関係管理ツールで、パッケージ管理と仮想環境管理を一元化することができます。以下に、Ubuntu上で pipenv
を使用してPythonの仮想環境を作成する手順を示します。
- まず、
pipenv
をインストールします。以下のコマンドを実行してください。
$ sudo apt install python3-pip
$ pip3 install pipenv
- 次に、新しいプロジェクトディレクトリを作成し、そのディレクトリ内で
pipenv
を使用して新しい仮想環境を作成します。
$ mkdir myproject
$ cd myproject
$ pipenv --python 3.8
以上で、Pythonの仮想環境の作成は完了です。次のセクションでは、VS Codeのインストールと設定方法について説明します。
VS Codeのインストールと設定
VS Code(Visual Studio Code)は、Microsoftが開発したフリーのコードエディタです。Pythonの開発においては、VS Codeが非常に便利なツールとなります。以下に、Ubuntu上でVS Codeをインストールし、Python開発環境として設定する手順を示します。
- まず、VS Codeをインストールします。以下のコマンドを実行してください。
$ sudo apt update
$ sudo apt install software-properties-common apt-transport-https wget
$ wget -q https://packages.microsoft.com/keys/microsoft.asc -O- | sudo apt-key add -
$ sudo add-apt-repository "deb [arch=amd64] https://packages.microsoft.com/repos/vscode stable main"
$ sudo apt update
$ sudo apt install code
-
次に、VS Codeを開き、拡張機能のタブをクリックします。検索ボックスに
Python
と入力し、Microsoftが提供するPython拡張機能をインストールします。 -
Python拡張機能をインストールしたら、VS Codeの設定を開きます。
File > Preferences > Settings
を選択し、検索ボックスにpython.pythonPath
と入力します。そして、先ほどpipenv
で作成した仮想環境のPythonインタープリタのパスを設定します。パスは以下のコマンドを実行することで取得できます。
$ pipenv --py
以上で、VS CodeのインストールとPython開発環境としての設定は完了です。次のセクションでは、Python開発環境のテスト方法について説明します。
Python開発環境のテスト
Python開発環境が正しく設定されているかを確認するためには、簡単なPythonスクリプトを作成し、それを実行してみることが一番です。以下に、VS Code上でPythonスクリプトを作成し、それを実行する手順を示します。
-
まず、VS Codeを開き、新しいPythonファイルを作成します。例えば、
test.py
という名前のファイルを作成します。 -
次に、以下のような簡単なPythonスクリプトを作成します。
print("Hello, Python!")
-
スクリプトを保存したら、ターミナルを開きます。VS Codeでは、
View > Terminal
を選択することでターミナルを開くことができます。 -
ターミナルで以下のコマンドを実行します。
$ pipenv run python test.py
- ターミナルに
Hello, Python!
と表示されれば、Python開発環境の設定は正しく行われています。
以上で、Python開発環境のテストは完了です。これで、Ubuntu上でPythonの開発環境を構築し、テストする方法について説明しました。これらの手順を参考に、自分のPython開発環境を設定してみてください。それでは、Happy coding! 🐍