subprocessモジュールの概要
Pythonのsubprocessモジュールは、新しいプロセスを生成し、そのプロセスの入出力を扱い、その終了ステータスを取得するための強力な機能を提供します。このモジュールを使用すると、Pythonからシェルコマンドを実行したり、他の外部プログラムを起動したりすることができます。
subprocessモジュールは、Pythonの標準ライブラリの一部であり、Python 2.4以降で利用可能です。このモジュールは、os.systemやos.spawn*などの旧来の関数を置き換えるために導入されました。
subprocessモジュールの主要な関数はsubprocess.run()です。この関数は、指定したコマンドを実行し、その結果をsubprocess.CompletedProcessオブジェクトとして返します。このオブジェクトから、コマンドの終了ステータスや標準出力の内容などを取得することができます。
次のセクションでは、subprocessモジュールを使用してサブプロセスの終了を待つ方法について詳しく説明します。具体的なコード例とともに、どのようにしてPythonから外部プロセスを効率的に制御するかを学んでいきましょう。
サブプロセスの終了を待つ方法
Pythonのsubprocessモジュールを使用してサブプロセスを生成した場合、そのサブプロセスが終了するのを待つための方法がいくつかあります。
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subprocess.run()関数を使用する: この関数は、サブプロセスが終了するまで待ち、その結果をsubprocess.CompletedProcessオブジェクトとして返します。このオブジェクトから、コマンドの終了ステータスや標準出力の内容などを取得することができます。“`python
import subprocesscompleted_process = subprocess.run([‘ls’, ‘-l’])
print(‘returncode:’, completed_process.returncode)
“` - 
subprocess.Popenクラスを使用する:Popenオブジェクトを作成した後、wait()メソッドを呼び出すことでサブプロセスの終了を待つことができます。“`python
import subprocessprocess = subprocess.Popen([‘ls’, ‘-l’])
process.wait()
“` 
これらの方法を使用することで、Pythonから外部プロセスを効率的に制御し、その終了を適切に待つことができます。次のセクションでは、これらの方法を具体的なコード例とともに詳しく説明します。また、サブプロセスの終了を待つ際の注意点についても説明します。これらの知識を活用して、Pythonでのプロセス制御をより理解し、効果的に利用することができます。
サブプロセスの終了を待つためのコード例
Pythonのsubprocessモジュールを使用して、サブプロセスの終了を待つための具体的なコード例を以下に示します。
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subprocess.run()関数を使用する例:“`python
import subprocess‘ls -l’コマンドを実行
completed_process = subprocess.run([‘ls’, ‘-l’])
終了ステータスを表示
print(‘returncode:’, completed_process.returncode)
“`このコードは、
ls -lコマンドを新しいサブプロセスで実行し、その終了を待ちます。コマンドの終了ステータスは、subprocess.CompletedProcessオブジェクトのreturncode属性から取得できます。 - 
subprocess.Popenクラスを使用する例:“`python
import subprocess‘ls -l’コマンドを実行
process = subprocess.Popen([‘ls’, ‘-l’])
サブプロセスの終了を待つ
process.wait()
“`このコードは、
ls -lコマンドを新しいサブプロセスで実行し、wait()メソッドを使用してその終了を待ちます。 
これらのコード例は、Pythonのsubprocessモジュールを使用して、サブプロセスの終了を待つ基本的な方法を示しています。これらの方法を理解し、適切に利用することで、Pythonから外部プロセスを効率的に制御することができます。 
サブプロセスの終了を待つ際の注意点
Pythonのsubprocessモジュールを使用してサブプロセスの終了を待つ際には、以下のような注意点があります。
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ブロッキング:
subprocess.run()関数やPopen.wait()メソッドは、サブプロセスが終了するまでブロックします。つまり、これらの関数やメソッドを呼び出すと、Pythonプログラムはサブプロセスが終了するまで待機し、その間他の処理を行いません。これが問題となる場合は、別のスレッドでサブプロセスを実行するなどの対策が必要です。 - 
デッドロック:
Popen.communicate()メソッドを使用してサブプロセスと通信する際には、デッドロックに注意する必要があります。サブプロセスが大量のデータを出力し、そのバッファがいっぱいになると、サブプロセスは出力が読み取られるのを待つために停止します。この時、Pythonプログラムもサブプロセスの終了を待っていると、デッドロックが発生します。これを避けるためには、Popen.communicate()メソッドを使用して一度にすべての出力を読み取るか、別のスレッドで出力を読み取るなどの対策が必要です。 - 
エラーハンドリング:
subprocess.run()関数は、デフォルトではサブプロセスが非ゼロの終了ステータスで終了した場合に例外subprocess.CalledProcessErrorを発生させます。これにより、サブプロセスがエラーで終了したことを検出し、適切に処理することができます。しかし、この挙動はcheck引数をFalseにすることで変更することができます。 
これらの注意点を理解し、適切に対応することで、Pythonのsubprocessモジュールを効果的に利用することができます。 
まとめ
この記事では、Pythonのsubprocessモジュールを使用してサブプロセスの終了を待つ方法について詳しく説明しました。subprocess.run()関数やPopen.wait()メソッドを使用することで、Pythonから外部プロセスを効率的に制御し、その終了を適切に待つことができます。
また、サブプロセスの終了を待つ際の注意点についても触れました。ブロッキングやデッドロック、エラーハンドリングなど、subprocessモジュールを効果的に利用するための重要なポイントを理解することができました。
Pythonのsubprocessモジュールは、Pythonからシェルコマンドを実行したり、他の外部プログラムを起動したりする強力なツールです。この知識を活用して、Pythonでのプロセス制御をより理解し、効果的に利用することができます。